千年こうじやについて
魚沼の食文化
おいしくやさしい、
自然の味わい
自然と寄り添い、昔ながらの暮らしを大切にする魚沼。
おいしく、体にもやさしい、旬の食材と発酵文化が織りなす
郷土料理の魅力をご紹介します。
魚沼の春を感じる、
自然の滋味
雪国の楽しみである、春のおとずれ。雪が解けると同時に、次々と山菜が顔を出し
はじめます。フキノトウ、コゴミ、ワラビ……。この季節にしか味わえない贅沢な
大地の息吹です。
4〜5月の魚沼は山菜天国。乾物や塩漬けにして、保存にも備えます。
色々な種類の山菜が入った山菜汁。採れたばかりのみずみずしい山菜の味を楽しむことができます。
とれたて野菜を、
保存食とともに
魚沼の豊穣な風土は、夏にたくさんの恵みをもたらします。その代表とも言えるのが、
巾着ナスや神楽南蛮などの郷土野菜。保存食と上手に組み合わせて、ごちそうを
つくります。
きゅっと締まった歯ごたえと甘みが特徴の巾着ナスは塩とミョウバンで漬物に。
川にさらして戻した棒鱈は、弱火で煮て棒鱈煮に仕上げます。お盆の時期に食べられる郷土料理です。
神楽南蛮を麹と塩に漬けた「南蛮じょうから」は家庭で親しまれている発酵調味料です。
本格的な冬に向け、
山の幸を収穫
秋になると農家では繁忙期を過ぎ、ようやくコシヒカリの収穫を終えます。
しかし、のんびりする間はありません。野山にきのこ狩りに行くなど、冬の本格的な
準備がはじまります。
魚沼の特産といえば、やはりコシヒカリ。粘りが強く、食感の良いのが特徴。
天然物のあまんだれが入ったきのこのけんちん汁、菊の花のだしじょうゆ、芋の手のきんぴらは秋ならではの定番料理。
長い冬を知恵と
工夫で乗り越える
冬がやってくると、毎日の料理は春から秋にかけて仕込んでおいた保存食が中心に。
この魚沼の冬の暮らしにこそ、発酵食品をはじめとする特徴的な食文化の原点が
あります。
大根、人参、糸瓜、白菜、身欠にしんなどを麹で漬け込んだ「やたら漬け」。麹と野菜の優しい甘みが特徴です。
春に採れた山菜は、冬でも大活躍。水で戻して、煮物や酢の物をこしらえます。
酸味が出てきた野沢菜の漬物を塩出しし、油揚げや打ち豆と一緒に煮込んで新たな味わいに仕上げた「煮菜」は魚沼の冬の伝統食です。